月夜の留守番電話

外国旅行記と小説。

2017-03-05から1日間の記事一覧

痛い立ち位置

金の万年筆を片手に、金縁の眼鏡をかけた水田社長は、社長室で全盛期比40%の頭髪を撫でながら「参ったな」と呟いた。そこに軽やかなノックの音が聞こえ、横田秘書が部屋へ入ってきた。 「失礼します、社長。先月我が社がリリースいたしました新車種について…