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月夜の留守番電話

外国旅行記と小説。

ラック

ポルノグラフィティシングルタイトル800字小説

今日は、ユミちゃんが学校をおやすみしている。隣にユミちゃんのいない学校は、家に帰ってから「手洗い・うがい」をせずに食べたおやつみたいな感じがする。

4月から、4年生になってもユミちゃんと同じクラスになれて、ぼくはとってもうれしかった。名字がぜんぜんちがうから、学校が始まってすぐのときにはユミちゃんと近くの席になれないけど、席がえをするようになればチャンスが出てくる。最初の席がえはぜんぜんダメで、次の席がえのときは同じ班になって、そしてついにとなりどうしになった。

「うわー、稲本ととなりかよー、さいあくじゃーん」

「ユミだって、守下くんのとなりとかイヤだしー」

そうそう、おぼえてるおぼえてる。ちょうどその日、ぼくは理科の教科書を持ってくるのをわすれて、ユミちゃんに見せてもらったんだ。7月になってもユミちゃんの教科書はきれいだった。家に帰って見てみたら、ぼくの教科書は「せ表紙」がグチャってなってたり、よくわからないえん筆の書きこみがしてあったりするのに。

給食のときは机をくっつけるから、少しだけドキドキする。ユミちゃんは牛にゅうのアレルギーがあるから、給食のときに牛にゅうを飲まない。ぼくはユミちゃんが飲まないぶんの牛にゅうをもらって飲んでいる。そのかわり、ぼくはパイナップルがきらいだから、もしデザートにパイナップルが出たら、ユミちゃんにあげる。

今日の給食はおいしかったな。給食のからあげは、家のやつとはちょっとちがうけどおいしい。ユミちゃんも来ればよかったのに。慎之介なんて、ごはんを3回もおかわりしてすっごくおもしろかった。

ぼくの家とユミちゃんの家は地区がちがうから、プリントを届けにいったり、授業について教えてあげたりできない。ユミちゃんと通学班が同じ良太郎になりたい。

ユミちゃんととなりになれたのはラッキーだけど、7月はすぐに終わっちゃうから、ちょっとざんねんだ。