月夜の留守番電話

外国旅行記と小説。

2017-03-08から1日間の記事一覧

今宵、月が見えずとも

「ごめんな」と言われた。幸せにできなくて、と。 別れ話をした帰りの電車は、どこか舞台めいて見える。人もまばらな23時の電車に、わたしは一番不幸な役を演じるのだろうか。虚ろな目でスマホの画面を追っているわたしの斜め前のサラリーマンは、こんな風に…